診療案内

O脚矯正手術

O脚矯正治療

日本人は、少なからずO脚(立つと膝の間が開く変形)の人が多く、体重のかかる軸が膝の内側を通り、変形性関節症などの発症および進行の原因となります。
進行しすぎると人工関節などの治療の対象となりますが、農業漁業などの肉体労働やスポーツ活動、登山などの趣味、正座が可能で和式の生活や茶道華道など正座が必要な趣味の継続を希望される場合は、将来的に人工関節に代えることなく、自分の膝を温存する治療法を選択することをお勧めします。
当院では、O脚矯正術をそれぞれの症状に合わせて数種類から選択して行っており、年齢制限はありません。膝の内側が痛くてO脚が気になる方は、ご相談ください。 なお、当院の葛城医師は、日本Knee Osteotomyフォーラム(O脚矯正術の会議)の代表世話人をしております。

ドーム型HTO
(高位脛骨骨切り術)

中程度の矯正角度の場合に選択している手術方法です。
まず、腓骨(外側の小骨)を中央で切離後、脛骨(すねの骨)の膝下部分を、特殊なノミでドーム型に切離して矯正してから創外固定という枠組みとピンで固定し、腓骨を矯正後の長さに合わせて部分切除してプレートで固定します。
矯正角度がある程度大きくても膝蓋骨(お皿)の位置が変わらず違和感がないと評判で、腓骨を合わせてプレート固定することで脛骨の骨癒合が早まり、ピンの抜去時期も早くなりました。
この手術方法は、当院の葛城医師が開発したもので、日本初のO脚矯正手術の教科書にも載っています。

オープンウエッジHTO
(高位脛骨骨切り術)

少なめの矯正角度の場合に選択している手術方法です。
脛骨(すねの骨)を膝下で斜めに外側を一部残して切離してから内側を開大し、そこに日本で開発された、後で自分の骨に入れ替わる特殊な人工骨を挟め、北海道大学で開発した特製チタン製のロッキングプレートで固定します。
腓骨を切る必要が無く、初期固定性が強固なため、他の手術法に比べ早く退院することができます。現在、日本国内で広く行われている手術方法で、安定した手術成績が報告されています。

仮骨延長法を用いた脛骨矯正骨切り術

通常脛骨(すねの骨)が内反変形(O脚)している場合が多いため、この変形を骨の自己修復力を利用して矯正する方法です。脛骨の一部に切れ目を入れ、外から骨に専用の器具を固定(創外固定)し、ゆっくり骨をのばしながら内反変形を治療していきます。術後毎週計測しながら骨をのばすために、正確な矯正がしやすい長所があります。入院中は歩行訓練、シャワーに入ることが可能です。骨をのばしたところに十分な骨ができたことを確認後、創外固定を抜きます。この時点で脛骨は自分の骨のみで修復された状態となっています。短所として、骨ができあがるまで期間がかかり、2~3ヵ月要することが多いことです。
通常、創外固定がとれるまで入院される患者さんが多いのですが、歩行ができる状態まで回復された場合には、早期退院し、外来通院することも可能です。この方法は人工関節を希望されない比較的高齢の患者さんにも行っております。